「将来〇〇屋をしたい!」
など、どんな料理を提供するお店かは決まっているかと思います。今お勤めの飲食店と同じ業態で、尚且つ店舗責任者など、経営に近い立場でお店を回されてるのであればある程度目途が付くかと思いますが、新しい業態に挑戦する、又は未経験からお店を始めるという場合、何から手を付けて良いかわからないと思いますので、先ずはそういう方を中心対象としてお話ししたいと思います。
イメージを具体的な「計画」に置き換える
具体的な計画で一番大事なのは毎月いくらの利益を出すか?です。
これがハッキリしていないと全てがぼやけてしまいます。 私も20年以上この業界にいますが、長年つぶれないお店と言うのは「美味しいお店」「楽しいお店」ではなく経営者としての感覚が優れている社長さんのお店なのです。事実、税理士さん等に聞いても閉店の主な原因は資金計画の弱さだそうです。
飲食店の良さである「自分の料理を美味しく食べてもらう喜び」「お客様に笑顔になってもらえる喜び」を最優先したいところですが、ここはグッと我慢して全てを経営者目線で計画を立ててください。
メニューから客単価を割り出し、毎月の売り上げ(利益)を確定させる
最低これくらいの収入は欲しいという金額さえハッキリ出来ていれば、後々全体の資金計画がやりやすくなります。でも始める時は夢の方が大きく皮算用に頼る方も多いのが現実です。またこれを後回しにしてしまうと、一旦取り掛かってしまえばこの先ゆっくりと計算する暇はありませんので是非一番最初に考えてください。
資金計画に便利なサイト
https://kaigyou.dreamgate.gr.jp/
ドリームゲートの開業計画NAVI というサイトです。
登録制となっていますが全て無料ですので是非活用されて下さい。飲食業専用のページも用意されています。
以下のように、簡単に数字を入力するだけで資金計画が見える化出来ます。
この様に、おおまかに概算を把握する事で現実味が出てきますし、後々の計画が立てやすくなります。
明確なコンセプトを打ち立てる
ここでは皆さんの夢を思う存分発揮しましょう。頭で描いていたプランを細かく書出します。
- 地元産の野菜を食べて欲しい
- こだわりの焼酎を沢山そろえたい
- 北海道の港から直送された鮮魚料理
- 地元の人たちが気軽に寄れるお店
- サラリーマンがくつろげるお店
- 旅行先で気に入ったタイ料理の居酒屋
とにかく何でも良いので思いつくまま書き出し、コンセプトとメニューを一致させます。
コンセプトに合ったターゲットを絞りましょう
- 年齢層
- 男女
- 職業、役職、ファミリー向けなど
- 客単価
ここまでハッキリしてくると、お店作りや物件探し(立地)をどうしたら良いかが見えてきます。逆もしかりです。
例えば
- 高級鮮魚やお肉がメイン = 主にアラフォー以上の高収入層男性 = 繁華街でも富裕層が集まる立地
- 中流収入世帯住宅街のテナントで経営 = ファミリー層 = 安くてボリュームある料理
- 気兼ねなく飲めるお店 = 30代サラリーマン層 = 駅前やオフィス街に近い場所
- 新鮮野菜を使ったイタリアンとワインの店 = 2~40代女子会 = お洒落なショッピング街
といった感じで、整合性が取れたうえに目指す方向がハッキリと見えてきます。
また、客層や立地に合った内装の作り方も分かりますので、イメージをスケッチ(又は画像を集め)しておくと内装建築屋さんも簡単にイメージが掴めます。
お店づくりはチーム戦です。
ハッキリとしたコンセプトが出来上がっていると、何をするにも相手に伝えやすくなり、お店づくりに携わるすべての人間と考えを共有できます。コレ大事!
全員が同じ目標に向かうことで色んなアイディアを出し合ったり、各業者がプロの経験で聞いたことも無いような情報を提案してくれたりします。職人などは特にそうですが、やはり仕事として関わる以上、皆良いお店を作りたいしお客様に喜んでほしいと思っているんです。
一世一代の大勝負ですから、不動産屋、酒屋、大家さん、食材メーカー、金融機関まで含め、関わる全ての人間を味方につける事が出来れば、予算以上のお店が出来上がるだけでなく、皆がお客さんにもなってくれるしそこから集客にも大きく繋がっていきます。
ある程度の全体像と現実が見えたうえで
大まかな予算、立地条件など、現状が何となく見えて来たでしょうか?
飲食店開業には大きなお金がかかりますし、経営し続けていくには様々な好条件が欲しいところです。
飲食店は参入障壁が低く、誰にでも(お金さえあれば)簡単に始める事が出来ますが、町中にライバルが沢山いますし、開業後3年で半分のお店が閉店に追い込まれているのも事実です。
ここで一度ゆっくりと考え、自信が無ければ勇気を出して引く事も考えなければなりません。
逆に、具体的な数字が出る事で「イケる!」という自信が付き覚悟が決まる人もいるでしょう。
家族や友人など相談に乗ってくれる人たちも、具体的な計画があればこそ背中を押してくれたり止めてくれたりと、あやふやではない具体的で的確な反応を示してくれるでしょう。
この様に色んな意味で具体的な「計画」は大切な事です。
どのような結論が出ようとも、あなたの人生が素晴らしいものになるように応援しています。